2021年09月25日

麹文化の酒の飲み【場】を増やす〜日本酒市場減少の理由〜

現下のコロナ禍が日本酒の造り手をさらに追い込んでいます。

当然コロナ禍の影響は日本酒だけではないものの、日本酒(=清酒)市場はコロナ前から減少が続いており、コロナ禍により減少に拍車がかかった状況にあります。

しかしながら、日本酒市場の減少はコロナ禍のせいかというとそうではないと言って良いと思います。

では日本酒市場減少の理由はなにか?

それは「日本酒の“飲み【場】”が減り続けているためである」と言って良いと考えます。

日本酒市場が最盛期であったころ、どこの“飲み【場】”のお酒メニューにも日本酒がメインでありました。

その後、“飲み【場】”のお酒のメニューにウイスキーが入り、ワインが入り、焼酎が入り、酎ハイ、サワー、ハイボールと多種多様なお酒が入りました。

それぞれにメーカーが仕掛けたりブームと言われたりしながら、主役が交代してきました。

その間、日本酒(=清酒)は「家飲み市場」だけに向き、“飲み【場】”での主役争いに加わることはありませんでした。

それは今でも同じです。
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※写真はイメージです。

しかしながら、これまでの「飲み手」は歳を取り、新たな「飲み手」に入れ替わります。

その新たな「飲み手」が、飲んだこともない日本酒(清酒)を、メディアで取り上げられている、有名人がPRしているからといってそれを見て、はたして「飲もう」となるでしょうか?

そうならないことは数字が証明していることであり、

新たな主役争いをしている他のお酒が“飲み【場】”の新規開拓に力を注いで、その結果ブームと言われる売れる状態にもっていっていることも実例と数字が証明していることであります。

確かに“飲み【場】”の新規開拓は『ヒト・モノ・カネ』全てを投資する必要があり、それを躊躇するのも理解できます。

しかしながら、それをしない限り、日本酒(=清酒)の復権はあり得ないと言って良いと思っています。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2021年09月18日

麹文化の酒の飲み【場】を増やす〜ゼロイチ戦略〜

日本固有の麹文化。日本の食・酒文化に欠かせない麹。

味噌、醤油、酢、みりん、清酒、本格焼酎…

これらはすべて、日本固有の麹文化の食品であるにもかかわらず、年々減少の一途をたどっています。

中でも私たちは麹文化の酒である「清酒」と「本格焼酎」の飲み【場】を増やすことに取り組み、

それらの良さ(価値)を伝え拡げてまいります。



このために取り組むべき方向性は2つ。

1つは、居酒屋(※日本酒専門店ではない)、ダイニングバーなど既存の料飲店で麹文化の酒をメニューに採用するお店を増やすこと。

もう1つは、企業のパイロット店舗やコンセプトショップ、また、小売店内などに併設されるバー、さらにはコワーキングスペース、シェアオフィス+バーなどまで、既存の料飲店ではない【場】への豊かさを高める要素としての展開。

要は、“ゼロイチ”戦略で、麹文化の酒の飲み【場】を増やすことに邁進いたします。

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※“日本酒とシェーカー” 私たちがSAKE HALLを企画した2011年には「バーで日本酒」はありえないことでした。今では多くのバーテンダーが麹文化の酒に取り組むようになりました。

麹文化の酒の良さ(価値)を伝え拡げ、新たな飲用文化を創造するには、

『飲み【場】を増やす』

この一点であり、これをせずにどんなにメーカーが新商品を投入しても、メディアPRを行っても、結局はこれまでの飲み手の中で回すだけで、新しい飲み手の創造には繋がらず、縮小トレンドを抜け出すことは不可能と言って良いと考えています。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2021年09月11日

「知る」と「識る」

先日、とあるミーティングでその違いについて話題になりました。

「知る」=受動的

「識る」=能動的

“自ら”が考えて物事に取り組むようになるのが「識る」によるところであり、

ファンを増やすためには「識る」をつくりだす。

ブランドのPRもただただ一方通行な発信を行なって「知る」を積み重ねていくのではなく、

お客様との双方向な、さらには共創していくような取り組みで、お客様“自ら”が能動的、積極的にブランドを無二のものとして応援してくれる=ファンになってくれる。

だからこそ「識る」をつくりだす取り組みがブランドに求められるという議論でした。

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※移転前のSAKE HALLで開催された蔵元イベント。会社員のお客様が平日の夜に地方まで行って蔵元イベントに参加したということもありました。

私も以前、日本酒の復権の一助となるべく『日本酒カクテル専門店 銀座SAKE HALL』新業態を創造した際、

それまでBarの洋酒好きのお客様が同店で日本酒の良さを「識り」、“自ら”積極的に蔵元イベントに参加するようになり、地方の酒蔵を訪問するようになり、どんどん“日本酒推し”のぬま(笑)にハマっていくのを見てきました。

日本酒に限らずですが、お客様はそれまでそのモノやブランドの良さを「識る」機会がなく、入り口がなかっただけだ。その機会を創ってあげれば、お客様の愉しみにも繋がり、豊かになるばかりでなく、日本酒の新たなファン(飲み手)の創造に繋がる。

「人は一度好きになってしまえば(日本酒を)“自ら”勉強を深めるようになる。」

と、SAKE HALLにご参加の蔵元さまにいつも申し上げていたことを思い出しました。

「知る」を積み重ねるのは広告にお金をかければ簡単にできますが、

「識る」を創造するにはお金ではなく知恵が必要です。

しかしながら、「知る」ではファンを増やすことはできず、「識る」によってしか無二の熱狂的な応援をしてくれる真のファンを増やすことはできないと言って良いと思っています。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画