2021年12月25日

日本酒の新たな飲み手を増やすとは

「日本酒(清酒)の飲み手は高齢化しており、

これまで日本酒を飲まなかった若い方や女性にその魅力を伝え、

新たな飲み手を増やさなければならない」



業界で言われ続けながら、実感としては一向に感じられないスローガンです。


「アニメ好きの若い人たちが集まるイベントで好評」

「昔はやった漫画のキャラクターをラベルにしたら売れた」

「芸能人、著名人主催のイベントでたくさんの人が集まった」



などなど、あの手この手で取り組んでいるようですが、

新たな飲み手が創造されているようには実感としては感じられません。


なぜなのでしょうか???


【枝葉末節にとらわれて大局を見失う】

中心から外れた事柄。本質的でないことばかりに取り組んで、

大局を見て推進する主体がないことが最大の要因であると言って良いと思います。


その理由を経営的側面から言えば、

『経費』的視点で、個別の費用対効果ばかりを見て、

本格的な新たな飲み手の開拓に『投資』しようという主体がいない。


会社的側面でも言い換えれば、

社員としては自分の評価は単年短期的実績で問われるため、

メディアに取り上げられたり、枝葉末節でも実績めいたものが出せればそれでよく、

大局とか、すぐに結果の出ない“飲み手創造”など、言っていられない。


現実にはこうした壁が存在し、本質的な取り組みに投資する主体がないと見えます。


ではこの壁を越えるにはどうすれば良いのでしょうか?


それにはどこか1社、大手メーカーの経営層が本気になって、

5年10年単位で投資し、“日本酒の新たな飲み手をつくる”ことに邁進するほかありません。


これはこれまでも日本の洋酒業界では取り組まれ続けていることであり、

近年、日本の蒸留酒メーカーでも取り組みが始められています。


ただ、日本酒(清酒)業界では未だ、そうした取り組みは皆無に見え、

それは実績としても数字が物語っています。


しかしながら、日本酒(清酒)にも固有の魅力、良さ(価値)が多くあります。

日本酒(清酒)文化をこのまま廃らせてはならないと、

私も日本のバーテンダー、酒に携わるものとして強く思います。



1社や1人では何も変わりません。

私も来年は、さらに多方面にアライアンス(協業)を展開し、

日本の飲酒文化、BAR文化に貢献できるよう励みます。

〜2021年クリスマスに〜

来年こそはコロナがなくなりますように

みなさま良いお年をお迎えください


環境開発計画 山本 利晴
タグ:酒類業界
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2021年12月18日

郊外&各停駅への名店出店傾向進む

以前にもこちらで書かせて頂きました、

「不便でも関係ない。人が集まる【場】」

いよいよ本格的な流れがきているように感じます。


郊外の各停駅に出店され、大変な繁盛店となった、

あるイタリアンのオーナーシェフいわく、

“わざわざ都心で店を出すメリットを感じなかった”

とのこと。

実際にそのお店には地元はもちろん、遠方からの来店も多く、

連日満席で予約が取れない状況で、近くに業態違いの2店舗目も出店されました。


さらに同じ駅(郊外&各停)ですが、

来年春にまた別の有名イタリアンシェフの出店が予定されています。

こちらの新たに出店されるシェフも、

これまで23区内の1階物件のレストランで働かれておられた方で、

そちらの家賃相場に比較しても、新たに独立して出店される郊外&各停駅の、

1階物件の家賃は坪当たり1万円程度下がります※(坪単価23,000円→13,000円へ)。


その経費がかからない分、

地元の方が気軽に楽しめる価格設定での出店を予定されているとのこと。


不便な場所でもしっかりとお客様を持った実力のあるシェフが、

郊外&各停駅へ独立して出店される傾向は、当然の流れと言って良いのかもしれません。


これまで超一等立地であった銀座等、名店の都心一極集中が崩れ、

これからは家賃の低い、郊外立地に数々の名店が出店し、

お客様はわざわざ足を運ぶことで、特別感がさらに高まる。


そんな構造的な変化は着々と進んでいます。

環境開発計画 山本 利晴
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2021年12月11日

ウィズ・コロナの料飲店経営の方向性

2021年11月は、休日のプライベート利用に加え、

10月には少なかった会社での会食利用が一気に戻り、

12月の忘年会予約も動きを見せて来ています。


しかしながら、それでもコロナ前と比較すると、

半分〜7割程度にしか戻らないような状況が続いています。


それに加え、コロナ禍の今後も不透明な状況が続く中、

新たにスタッフを募集して増やすこともリスクが高く、

働き手側もお酒を扱う料飲店で働きたいというモチベーションが低いままの状況です。


さらには、コロナが終息したとしても、

お酒を扱う料飲店はコロナ前に戻ることはないと各方面から言われています。


このような構造的な問題を抱える中で、

お酒の料飲店を続け、利益をしっかり残していくために必要なこと。

それは、お店で働くスタッフ一人一人が、

「一人当たり売上高」を倍増、いや3倍にもすることです。


一人当たり月に22日間、営業時間6時間の酒場業態で、

人時売上高3,000円だとしますと年間の「一人当たり売上高」は4,752千円。

例えば同じ日数時間で人時売上高10,000円を実現すれば、

年間の「一人当たり売上高」は15,840千円となります。


そんなの無理だよ〜、、でしょうか??

実際に実現しているお店が11月には収益化に戻しています。

不可能ではないのです。

環境開発計画 山本 利晴
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