2022年01月29日

お酒の新市場はこうしてつくり出される

今週、お酒のあるメーカーから新商品の発表がありました。

ここ数年、伸長している酒類で、

そのメーカーのお酒のラインナップの中でも、

伸び率が最も高い酒類の新商品であるという報道がなされました。


この報道、一見すると「また流行りに乗って新商品を出した」と見えるようですが、

実はこの見方は大いなる間違い、その答えは正反対であります。


その実、このメーカーが戦略的に数値化(具体的な数字はブログでは控えますが)して、

KPIを設定し、それを着実に実行、達成、KPIの再設定を繰り返し、

その一つの段階に達したことを確認して、

今回の新商品発売となっているのであります。


【お酒の新市場はこうしてつくり出される】

この一つの実例を見ているのであります。


お酒に限らず、“流行り”とは、誰かが意図的に創り出すもので、

一般的に思われているように、

“偶然、勝手に、運良く流行った”という類の見方は、

間違いであると言って良いと思います。


そして、このような間違った認識は、一般の人に限らず、

業界のプロの間でも大多数は同様の間違った認識を持っています。

この方々からは、

「無理無理、ウチの会社的に(笑)」※某CM風

「(自分達で市場を創るのではなく)流行ったものに乗れば良い」

などなどの声ばかり聞かれ、

その結果、お酒の市場は縮小を続けますが、

「どうすれば売り上げを上げられるか分からない」などと、

目の前にはっきり提示された、『新市場創造、売り上げを上げる公式、定数』が、明確になっているにも関わらず、

「無理無理、ウチの会社的に(笑)」となる負のスパイラルに入っています。


お酒の新市場創造は、この『公式』『定数』を持って、

だれかが主体的に創り出さない限り、

新たな飲み手が増えることは、絶対にあり得ません。



私もこの『公式』を持って、取り組ませていただいている仕事を通して、

微力ながら“お酒の新たな飲み手創り”の一助となれるよう、

歩みを進めて参ります。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2022年01月22日

和酒業務用営業にデジタル活用でアナログなご縁を深める

zoomやteamsを使ったオンラインでの打ち合わせは、

私たちのようなお酒に関係する仕事でも、

すでにインフラになったと言って良いと思います。


しかしながら特に和酒の業務用営業では、

「直接訪問して毎年同じ季節商品の紙資料を持参する」営業がもっとも効果的である。

といった傾向が今でも強いと感じます。


それでいて「自社の営業人数は少ないので取り組みには限界がある」と。

それが和酒業界の“あたりまえ”なのだと言われるかと思いますが、

私のように業界外のものから見ると疑問に感じます。


実際に今、私が携わらせて頂いている仕事でも、

打ち合わせはほぼオンラインですが、

この半年でかなりご縁が深まったと感じています。


デジタルが基本になることで、翻って数少ない出張の機会に直接会えることが、

これまでに比べ、ありがたい貴重な機会になり、

益々アナログなご縁が深っています。


“コロナ禍だから今こそ変えましょう!”


このセリフが使える今のうちに、

これまでの慣習を変え、

真の意味での営業の生産性向上に取り組むチャンスにできるのではないでしょうか。


酒の業務用営業でも、しっかりと顔の見えるデジタルでの営業の仕組みを構築することで、

“コロナのせいで営業に伺えないんですよ、、”という残念な状況から、

“コロナ禍だからこそご縁を深めるために新たなデジタルの仕組みを作りました!”

と変えることで、先方とのご縁をさらに深めることができると確信します。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2022年01月15日

お客様の喜びが日本酒の喜び

私がバーテンダーになりたての時。

最初に勤めた下北沢のバーの常連さんにこんなことを言われたことがあります。

「山本くんのカクテルは本格的で美味しいけど、私には強すぎるのよね。。」

自分では徹底的にカクテルのおいしさを追求して、自信をもって提案した1杯に対して言われた言葉です。


変わって先日、

ある日本酒の蔵元を訪問した際、その商品戦略にとても感銘を受けました。

その蔵元では、蔵元の代表酒や、地元の米や、地元名産のある花の酵母を使った酒といった、

他の多くの蔵元でも取り組まれている商品戦略に加え、

お客様の飲むシーンや感情に寄り添った提案型の商品カテゴリを戦略的に展開され、

その酒質の高さ、造りのこだわりをしっかりと背景としながら、

酒の味だけでなく、ラベルデザインやキャッチコピー、商品名も、

飲み手が飲むシーンに合わせた商品造り&提案
を行われています。

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※訪問させて頂いた蔵元の“庭 兼 角打ち”。気持ちの良い青空の下、素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございました!

そこで冒頭に書きました、自分の駆け出しの頃を思い出しました。

「技術に自信を持って、美味しいものを造れば、おのずとお客様は喜んでくれるはず。」

この勘違いが、常連さんの言葉に現れたと思っていますし、直接言ってくれるだけ有難いです。


普通はそう思っても直接は伝えることなく、飲み手は離れていきます。


「なぜ品質は昔より高くなっているのに、味も美味しく造っているのに、飲み手が減り続けるのか。。」

日本酒業界でよく聞く話ですが、その答えは、上記の私の勘違いと同じなのかもしれません。


『造り手起点ではなく、飲み手起点』


言葉で理解していても、今回訪問させていただいた蔵元のように、

お客様の喜び側に立って、それに寄り添った酒造り、商品戦略を取っている蔵元は、

多くはないのではないでしょうか。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画