2022年02月26日

30年以上同じことを言い続ける

最近読み返した本の第1刷発行日は1990年3月1日でした。

その本の中で、

“製品本位の経営から、顧客本位の企業になるべき”

という趣旨の内容が書かれており、

私自身も大切なコンセプトの一つとしている、

【顧客起点】

は、32年前にも、とうに言われていることなのです。


同じように、前職の会社の代表もよく、

「30年同じことを言い続けている」

と言われていました。


飲食店、サービス業、ホスピタリティ業では、

毎日ご来店下さるお客様に接することができることから、

現状満足のサービスというものは無く、

日々、サービスの向上を図ることは当然の取り組みとも言えます。


これは、製造業、メーカー、ものづくりの方々にも通じるところかと思いますが、

最初に取り上げた通りなぜか、

【製品】本位の経営がなされる会社が多い上に、

【サービス】の追求には取り組まないメーカーが多い
のも事実です。


社長が“同じことを言い続ける”

これにより“社長風”=“社風”として浸透し、

継承されることで、長く継続する存在意義のある会社になり得るのかもしれません。


『企業30年説』とも言われます。

30年経ったブランド、企業が、

次の成長曲線を描くために必要な要素でもあるのではないでしょうか。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2022年02月19日

ひだりにおくもの

前職の時、よく、“ひだりにおくもの”の大切さを教わり、

現在でもそれを使わせていただいています。


最近の日経ビジネス、

『会社を強くする「教科書経営」』という特集に、

星野リゾートさんの記事があり、

『「100%教科書通り」の経営が会社を強くする』として、

星野佳路代表の話が書かれており、

私たちが使う“ひだりにおく”ということと近い意味だと感じました。


私のブログでも以前、

“お酒の新市場はこうしてつくり出される”として、

【公式】、業界の【定数】の話を書きました。

定数とは物理学で、状態変化の間を通じて一定の値を保つ量であり、

要は、あーでもない、こーでもないと各個人の意見はあれども、この数字、公式は変わることがない。

それぞれの意見が好き放題出て、まとまらない状態になったとしても、

過去の経験や、声の大きい人の意見に任せるのではなく、

必ず戻るべき軸、拠り所と言って良いものです。

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※今週新発売されたお酒。このお酒の展開も、なんとなく流行に乗ったものではなく、しっかりと公式、定数に沿ったものだということが証明されています。


ところが、仕事の中にはまだまだ、

“ひだりにおくもの”や「教科書」、【公式】や【定数】に拠らず、

ただ経験や、声の大きさ、各個人の考えなどをひたすら議論し、

なんとなく結論めいたものを出そうとしているシーンが多々あります。


このことが、生産性の高い会社、低い会社を分ける、

一つの要因になっていると言って良いと私は思っています。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2022年02月12日

飲み放題規制

世界では、企業の環境、社会問題への対応などを考慮した投資、

『ESG投資』が広がり、その観点から今後、

酒類メーカーが投資対象から外されることになる流れがありますね。


酒類メーカー起点では、商品戦略の“低アルコール化”や、

産学で「不適切な飲酒」課題解決への取り組みを表明するなど、

取り組みを進めています。


現下、コロナでよく聞くようになったWHO(世界保健機関)でも、

“アルコールは有害”と明確に表明しており、

先に同様に扱われた“喫煙”と同じ道を、“飲酒”が辿ることは明らかです。


これもコロナで話題になりましたが、

日本では深夜でもお酒を買うことができ、道端で飲んでも法を犯すことにはなりません。

さらには、ヨーロッパの一部の国などでは違法である、

“定額飲み放題でのアルコール販売”ですが、

日本では居酒屋文化の中でむしろ主流と言って良い販売方法です。


特に和酒業界では、この“飲み放題”こそ、業務用収益のキーになると言うメーカーもあり、

要は、飲み放題で過剰注文されたとっくりに飲みきれず残るお酒の売上がばかにならないというのです。


しかしながら日本でも、アフターコロナ、そして2025年の万博開催に向け、

世界的潮流に合わせるべく、飲み放題を規制する動きが加速しそうな様相です。


このように見ていくと、日本は“飲酒”の側面でもまさに“ガラパゴス”化していると言って良いと思います。


では、このような世界的潮流の中、

我々日本のお酒の文化創造や継承に取り組むものはどうすべきでしょうか?


大手メーカーがノンアル、低アル化を推進したり、不適切飲酒をさせない啓蒙活動を進めたりするだけでは、

この潮流には立ち向かえないと私は思っています。


飲食業界でもよく言われることですが、

「健康を謳う業態はだいたいすぐ潰れる」

「飲み場で“健康に良いドリンク”を勧めても流行らない」


など、そもそも人が“飲酒”に求めていることは、“生理学的な健康”ではなく、

愉しみ、人との交流、非日常、文化的嗜好など、“人間らしい豊かさによる健康”であり、

だからこそ有史以来、たとえ禁酒法が制定されてもお酒が絶えることがなかったことが、なによりの証左だと思います。


であればやはり、

ただただ“生理学的な健康”を気にする“家飲み”市場では結果、「適正飲酒」は浸透することはないと言って良く、

「適正飲酒」の啓蒙も“飲み場”(業務用市場)から浸透させるべきであり、


今後はやはり安酒でバンバン飲み放題というのは廃り、

“飲み場”の付加価値を高めるような酒類提案のストーリーの中に、

「適正飲酒」に繋がるメッセージを付加できるような酒類展開が推進されることにならざるを得ず、

ますます業務用営業における高付加価値提案営業の重要性が高まると思っています。

環境開発計画 山本 利晴
タグ:酒類業界
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画