私も先日、北関東のとある酒蔵に併設される和食店に伺いましたが、
料理は素材の良いものを使っているようで美味しかったのですが、
サービスはいわゆる大チェーン店ファミレスのような印象を受ける接客でした。
残念です。。
また、とあるビジネス誌に、“B級観光”云々との記事があり、
その問題点が指摘されていました。
なぜこうしたことになってしまうのでしょうか?
一言で言えば、“つくって終わり”。
デザイナーと称する人に依頼して、ただ外見カッコ良いハコをつくって、
メディアに一時取り上げられて、
そこのお酒のファンや業界人が来て、なんとなく賑わっているような見え方になる。
しかしながら、そうしたお客様は次々新しい施設ができるたびに、
一回顔を出してまた次へ行くため、当該施設はすぐに忘れられ、
気がつくと一巡して、「酒蔵が観光施設をオープン」というニュースが聞かれなくなる。
そんな流れが容易に想像がつきます。
ではどうすべきなのか。
私がご縁をいただいて取り組みさせていただいている施設では、
メーカー社員の皆様にしっかりとプロのサービスの訓練を受けて頂き、
数値的な側面からも、こうした業態のあるべき数字を追求するなど、
いわば“餅は餅屋”のノウハウを時間をかけて提供しています。
このような表には見えない、“人が介する”ところを重視すべきと考えます。
そうすると、そこで働くメーカー社員の皆様には元々自社へのロイヤリティが高いところに、
店舗の専門的な能力がつくことで、お客様が喜ぶさまざまなアプローチを、
現場が自ずから日々追求できるようになるのです。
このように現場で働く“人”に力を注がず、ハコをつくって終わりではまさに“B級”。
お客様の喜びのないところに“A級”はなし。
しかしながら、そこへの投資を行う酒蔵は多くないのではないでしょうか。
環境開発計画 山本 利晴