大手のチェーン料飲店に対し、独立料飲店をザラ場と言っていますが、
着実に客数が増えて、直近ではコロナ前19年を上回るところも少なくないようです。
某情報サービス提供会社の経営指標データを見ても、
平均年商で1億円に満たない「酒場,ビアホール」業種では、
決算昨年同月比で黒字企業割合の上昇率が高く、2割強だったものは4割を超え、
経常利益率も4.5ポイント改善しています。
各種報道では、
「厳しい、厳しい」という声ばかりを拾って伝えていますが、
料飲店向けのお酒の売れ行きや、経営数字を見ると、
ザラ場に限って言えば、確実にコロナ前に戻って来ています。
値上げすると客足が遠のくのでは?という声の記事は、
実際のザラ場の料飲店の声ではなく、外野のイメージで言われているようで、
実際には値上げによる客離れはザラ場では見られず、
離れているのは大手のチェーン居酒屋などのようです。
これは何を意味するのでしょうか?
単純に言えば、
料飲店にお客様が求めるものは、
商品ではなく“人”だという証左であると言って良いと、
数字も物語っているということではないでしょうか。
料理などは実は二の次で、店主やスタッフ、またはお客同士という、
人と会う、非日常のコミュニケーションを愉しむために行くのだということを、
実績数字が語っていると言えるでしょう。
だから、店主スタッフや隣客同士とのコミュニケーションは特に無く、
日常のグループで行くシーンが大半である大手居酒屋チェーンは厳しいまま。
目下、原材料費や光熱費の高騰が料飲店の危機の原因のように報道されますが、
そこに会いたい人がいるかどうかこれが根本的な問題、酒主体料飲店の存在意義と言っても過言ではないのではないでしょうか。
環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00|
環境開発計画