様々な要因が重なり、
酒類の価格改定が相次いでいますね。
清酒でもこれまでは、価格改定のたびに、
大手メーカーが横並びで同じ方向性の価格改定を行い、
それを地酒メーカーは見ながら、
右往左往する構図であったものが、
この度の価格改定では、
大手メーカー間でも価格改定の方向性がバラバラとなり、
これまでの慣習が崩れました。
これまで通りの横並びに対する危機感の表れとは思いますが、
どうもこの流れも、決して清酒にとって良い流れとは思えないのです。
清酒の新たな飲み手を創造するための慣習破壊ではなく、
打ち手が見えない中で、ただ売上も下がる、コストも上がるで、
致し方ない、やむを得ない、決して戦略的ではない、
そんな、なし崩し的な慣習崩壊に見えるのです。
このブログでも過去に何度も書いてきましたが、
清酒メーカーで、本気で清酒の新たな飲み手創造に着手している社は、
私は未だ無いと見ています。
自社のアイテムの個別の売上を伸ばそうと苦心している社ばかりに見えます。
むしろ今後も、過去の慣習が次々に崩壊し、
業界自体が崩壊するまで、本腰を入れて手を打つ社は現れないのかもしれません。
大手清酒メーカーのどこかが立ち上がり、“旗手”とならねば、
清酒の復権は絶対にと言って良い程度にあり得ないと思っています。
環境開発計画 山本 利晴
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