2024年06月29日

お1家族1本まで

今月6月の11日に、

『プレミアムハイボール白州』のシリーズ第3弾、

〈清々しいスモーキー〉が新発売されましたね。


昨年2023年は、こちらの記事での上げさせていただいた通り、

「山崎蒸溜所」が100周年、「白州蒸溜所」が50周年を迎え、

さらに私のベースの一つである『日比谷BAR WHISKY-S』20周年と、

サントリー社のアニバーサリーイヤーであり、

それに併せて山崎と白州の「プレミアムハイボール」が新発売されました。


そこから1年も経たないうちに第3弾の発売ということで、

“シリーズ化“されていると思っても良い流れです。


そしてこのRTD缶の商品の固有な価値として、

1本660円という価格設定が挙げられます。


他社のハイボール缶では300円台がMaxというところに、

その倍という、違う土俵と言って良い設定です。


そして何よりサントリーウイスキーが固有の価値を造り上げていると言えるのが、

この価格設定ながら、あっという間に売り切れてしまうということ。


コンビニのリーチインショーケース内のRTDで、

“お1家族1本まで”と貼っているのは私も初めて見ました。
hakushu_rtd.jpg

これを見て、

2003年に『日比谷BAR WHISKY-S』初代店長として携わらせていただいた時の、

大多数のお客様の反応が鮮明に蘇ってきました。


「ウイスキー専門店がオープンしました!」と伝えても、

「いやいや、ウイスキーなんて飲まないよ、、、」と返され続けた日々。


その同じお客様がきっと今、

「売り切れる前に買いたい!」と、

相場の倍のRTDを探してでも買って楽しまれているのです。


私はこの実体験から、

お酒の新市場創造、現在評価されていない酒類の復権は、

間違いなく可能であると強く確信しているのです。

環境開発計画 山本 利晴
タグ:酒類業界
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2024年06月22日

都内平日17時前のBar飲みは

先日の業務店調査では、

午後の時間からバー営業を行う2店舗を訪問しました。


どちらも都区内中心地ながら、

片方は、大規模ターミナル駅至近、

もう片方は、閑静な住宅や商店、出版社が多い街。


前者は料理もあり、ランチ利用やアフタヌーンティー利用ができる業態で、

後者はチャームのみの完全なカクテルバー業態。


場所やバーテンダーの人によるところも大きいのですが、

どちらも17時前に1回転する日もあるほど、

“昼飲み”が活況です。


午後の時間帯の客層を見ると、

前者は女性客が圧倒的に多く、ご友人と会話を楽しまれ、

後者は地元の出版社の方のほか、今はインバウンド客も少なくありません。


様々な客層、異なるエリア、業態でありますが、

どちらのお店も“昼飲み”が完全に成立しています。


そして両店ともに閉店時間は早く、23時台なのです。


コロナ明けコロナ明けと言われますが、

この傾向はコロナ前から進行していました。


都内という与条件はつきますが、

このように、早い時間の客数ボリュームが増え、

深夜帯には客数を見込めない。

こうしたバーの利用形態はますます進んでいくと見ています。

環境開発計画 山本 利晴
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2024年06月15日

ビアフェス東京2024で感じた清酒市場のスタンス

先週末、恵比寿ガーデンプレイスで行われた、

ビアフェス東京2024に伺いました。


伺うのは昨年開催されたビアフェス横浜2023に続いて2回目でしたが、

出展メーカーの顔ぶれは結構入れ替わっているように感じられ、

前売り券5,400円、当日券6,000円という設定にも関わらず、

2日間で2500名という盛況ぶりで、

クラフトビールファンの飲み手が、思い思いに愉しまれていました。


出展メーカーは多彩で、

一般にも知られている大手のクラフトビールメーカーから、

規模のある酒造メーカーの一部門として製造している所や、

卸としてPB商品を出品している所、

そして、全国各地の小規模独立系の製造場まで。


それらのメーカーが造るクラフトビールは個性豊かで、

一般的な大手ビールメーカーのNBビールとは異なる土俵であり、

むしろ、

バーで楽しむオリジナルカクテルの性質に近いと言っても良いほど、

バリエーションはもちろん、その仕上がり品質の高低、

造り手のコンセプトや製造習熟度などがモロに感じられました。


昨年初めて出展したメーカーで、品質が高く評価され、

今年は行列ができていたブースもあり、

それぞれのメーカーは、

いかに自分たちのファンになっていただけるかが勝負という感じで、

こういう側面も、NBビールのそれとは異なり、

バーテンダーや飲食店舗のそれに近い性質のものだと感じました。


ということは、

クラフトビールの市場という側面では、個人店飲食店同様、

群雄割拠で統一感とは反対の個々の魅力を楽しむ市場であり、

大きく市場創造がなされるような性質の商品ではないことも確認できました。


各ブースを回りながら、そんなことを考えていましたが、

振り返って日本酒(清酒)市場も、

このような性質がより強まっているようにも感じます。


一部のファンだけが楽しむ限られた市場に向かうというベクトルで、

加速的にシュリンクする清酒市場を肯定するスタンスで、

業界は良しとするのでしょうか。

環境開発計画 山本 利晴
タグ:酒類業界
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