2024年07月27日

老舗酒蔵の破産

先日、新潟の老舗酒蔵「宝山酒造」が破産とのニュースが上がりましたね。


“やひ恋”のキャッチで観光発信が盛んな地域にあって、

その中の観光コースとして酒蔵見学を設定して集客。

日本酒販売が増加した1995年には年商2億6千万円だったものが、

2023年には1億円と4割以下まで落ち込んでの破産ということです。


最近は他の酒蔵でも、

酒蔵による飲食付属ショップの開店や、見学コースの設定、

蔵開きなどのイベントも盛んに行われていますが、

このニュースに接し、改めてこうしたイベント的な盛況と、

実需が伴っていないことを確認できますね。


ここ数年、“日本酒ブーム”“日本酒ブーム”と言われても売れていない。

これは最近の“クラフトビールブーム“や、“日本ワインブーム”、

“クラフトジンブーム”など、“ブーム”と言われているものほど、

その実、ただただインフルエンサーやメディアが騒いでいるだけで、

大半の銘柄は売れているわけでは無い。

トップメーカーの一人勝ち、

もしくは上位銘柄が圧倒的で残りは桁違いに小さい規模のロングテールであり、

厳しいメーカーがほぼ全てであるということです。


本件のような規模の大きく無い地酒酒蔵がいくら頑張っても、

新たな市場は創造できないのです。


そろそろこうした“ブーム”に惑わされることなく、

特にその酒ごとのリーディングカンパニーが地に足をつけて、

リスクを取って投資をしっかりと行い、中長期を見据えて新たな飲み手を創る。

新市場創造へ踏み出しませんでしょうか。

環境開発計画 山本 利晴
タグ:酒類業界
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2024年07月20日

ある地方都市での業務店調査

先日、弊社業務委託先デザイナーとのミーティングのため、

九州人口ランキング15位以内に入る地方都市に出張、

合わせて現地の各業態の業務店調査を行いました。


まず1軒目には、地元蔵元の本社直売店と、

併設する日本酒BARに伺いました。

改装されたばかりの店内はオシャレな内装で、

日本酒BARの方は、出荷エリアの一部分に設置され、

実際に蔵人が作業するのを横目に飲める臨場感溢れるバーでした。

現時点ではまだまだ観光客も多くはないそうですが、

未来を見据えてしっかりと発信すべく、

これだけの改装、取り組みを行われているのは素晴らしいと感じました。


2軒目には、地元で24年続く老舗日本料理店へ。

季節の和食と地元名産のフグを、日本酒と合わせて楽しみました。

地元密着の割烹だからでしょうか、

和酒のラインナップは地元のものも一部あるものの、

大半は県外のお酒で、大将のこだわりが見えるラインナップでした。

ただ、他の地方でも感じたことですが、

地元の酒を推すというスタンスは、

地方に行くほど重要視されていないのだということを今回も感じられました。


最後に3軒目、デザイナーの同級生が経営するショットバーへ。

バーテンダーとしてのこだわりはもちろん、

バー以外のビジネスにも積極的に取り組まれているマスターで、

お話も楽しい、居心地の良い時間を過ごせました。

ただやはりまだまだコロナから客数は戻っているとは言えず、

特に22時以降の遅い時間がピークのバーでは、引きが早くなっている今、

地方のバーでは特に集客は簡単ではないと感じました。


今回の地方での業務店調査では、

東京の業務店ばかり見ていると、

全国的なお酒の動きを見誤ると再確認できました。


こうした地方の現状も把握しながら、

和酒の復権に向けた提案を引き続き推し進めてまいります。

環境開発計画 山本 利晴
タグ:業務店調査
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2024年07月13日

これからの酒業務用営業には

東京の酒主体業態の飲食店では、

入っているところとそうでないところの差は大きいものの、

繁盛店の盛況ぶりはコロナ前をも超える状況ですね。


しかしながら、そこにお酒を卸す、

お酒の業務用営業では、旧態依然とした流れがほとんどで、


「モノ(お酒)を売るだけで無く、(お店の)お役立ちに繋がる営業を」

と、掲げる向きはあるものの、


その実、「お役立ち」と言われても、メーカーおよび流通の営業マンに、

お店に提案できるノウハウがあるわけでも無く、

「お役立ち」という言葉だけが一人歩きし、

結局はお酒のスペックと条件面ばかりの営業展開が、

コロナ前と何も変わらず行われています。


ではなぜ、

「モノ(お酒)を売るだけで無い、(お店の)お役立ちに繋がる営業」

の必要性が分かっていながら、できないのでしょうか?


それは、酒メーカーや流通に、

お店に関するノウハウを習得させるような機会、

研修や勉強をさせるという風土があるところが少なすぎるからです。


それでは当然ながら、「お役立ち」営業と言われても不可能です。


さらに悪いところでは、そうしたノウハウ以前に、

お酒自体の勉強もそれほど組織的に行なっていないところも多いように見えます。


要するに、営業マンに勉強の機会を与えるということの優先順位が低く、

そんな暇があれば1件でも足で回ってこい。

というような風土が当然のような空気が漂っています。


それでは無理ですね。


「モノ(お酒)を売るだけで無い、(お店の)お役立ちに繋がる営業」には、

今、流行っている店、利益の構図が素晴らしい店にはどのようなノウハウがあるのか?

そうしたことを理解するところから始めてみてはいかがでしょうか?


実際にこうした研修機会の提供は可能であり、

進んでいる企業ではすでに導入実施されているのです。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画