2024年09月28日

超高収益店の凄さ

お酒が1杯1,500円や2,000円台も普通にラインナップされ、

有名バーテンダーやシェフが居る訳でもなく、

街場の“チェーン店”で、立地も1等立地ばかりでもなく、

お客様はコアなファンばかりという訳ではなく、

その大半は一般のサラリーマン、OLで、

平日からしっかり集客できている。


円安の影響による米国の店の話ではありません。

また、メディアや芸能人的な高級店でもありません。

日本の街場の“チェーン店”です。


料理メインでなく、お酒がメインで、女性による接待の店でもありません。

一般のお客様で平日から、客単価4千円超えでも賑わっています。


業界誌に出ている盛業飲食店のそれをはるかに超える営業利益率を叩き出し、

業界トップクラスの人時売上高を誇ります。
※繰り返しますが、女性の接待の店ではありません。


実在する日本の街場の“チェーン店”です。


その凄さは、中に入って、見て、感じないと理解が難しいでしょう。


この“チェーン店”が、コンセプトを継続的に、

そして本質的に『質の向上』や『人』、『高付加価値』の追求の歩みを止めることがなく、

さらにコロナを経て、人的資源が【蒸留】プレミアムエッセンス化されながらも、

属人化することなく、各リソースが質高く【ブレンデッド】され、

これまでの歴史の中で積み重ねてきたものによる【熟成】を続けている賜物として、

こうした凄さが生まれているように私は感じています。


そしてなにより、来店されるお客様がそれをしっかりと感じているのです。


先日も同店で飲んでいた時、後ろのカップル客の会話が聞こえ、

「この店で飲んでると、家で飲むより安く感じる。もちろん値段は家で飲む方が安いのだけれど、、」

とのこと。


1杯2,000円とか出してもこう感じているのです。

ここで過ごす時間が相当に愉しく、有意義だということですね。


そこには単純に雰囲気が良いとか、サービスレベルが高いとか言うだけではない、

前述のような複合要素があるのではないかと私は感じています。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2024年09月21日

その蒸留酒、新市場のどこに何本売りたいのか

新商品蒸留酒を売りたいとします。

その酒は、どこの市場に何本売りたいのか?

その目標値は、実現可能性検証を行ったのか?

果たしてこうした組み立てを行っている社はどの程度あるでしょうか。


例えば、今流行りの国産ジン。

某トップブランド。

半年間(2024年上半期)で21万ケース(700ml瓶・1.8ℓPET合計)、

700ml瓶換算では2,520,000本の販売実績とのことで、

単純に年間にはその倍で約500万本とします。


その上位ブランドで4千円を超えるプレミアムジン。

こちらの2021年世界販売数量が34万ケースで、

その9割が海外での販売とのことで、

国内を1割と見ると40万本となります。


3年後(2024年同比較)で伸びてその倍まで行っていたとして、

80万本は、上記トップブランドの16%であり、

国内での国産ジンブームがピークに近いとしてみても、

いわゆる2,000円を超えるプレミアムスピリッツの、

現状国内での販売数量のMaxが80万本とか100万本とかと仮説できます。


これも前述の某トップブランドに牽引させて、

ジンの市場を新たに創ったから成り立っているのであって、

プレミアムスピリッツ単体で成立するほど甘くないことも容易に想像できます。


では、新たなスピリッツ(蒸留酒)をもって、

このような新市場を確立するにはどうしたら良いか。

上記のジンの事例を左に置いて、実現可能性検証を行ってみるべきです。


ただ新商品を出して、イノベーターやアーリーアダプターに評判が良いからと言って、

キャズムを当然のように超えられるだろうと考えている社が少なくないようにも思えるのです。

環境開発計画 山本 利晴
タグ:酒類業界
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2024年09月14日

サービスの質が高いレストラン

先日、プライベートながら、

家族の誕生日会にて、某レストラングループを代表する、

銀座のモダンイタリアンに伺いました。


インターネット予約の際、

利用動機を「誕生日」とチェック、

「娘」の誕生日会である旨のみを一言記入して予約。


これだけの情報ながら、

コース料理の最後にサーブされた「デザートプレート」には、

「happy birthday」に加え、しっかりと「娘」の名前が書かれていました。


サービスを行いながら、

テーブルでの家族の会話をしっかりと聞き取って、

何も言わなくても間違いなく確信をもって「名前」を書ける。


それも自然に行われるため、

予約者以外は予約の時に普通に名前まで伝えたものと感じます。


以前もこれと同じようなサービスを、

弊社のある調布のイタリアンでも受けたことがあります。


これら2つの会社は別ですが、

オーナーの出身が同じレストランチェーンです。


今回伺った銀座のレストランは、客単価2万円で、

コース料理やワインも美味しくいただきましたが、

次またリピートする要因は完全に、料理ではなく、

こうした“質の高いサービス”だと強く感じました。


飲食業界も非接触的な大きな流れがきている中、

それとは逆行し、徹底してサービスの質を高めたお店は、

確実に残って繁盛していくのだということを、

今回も強く感じることができました。

環境開発計画 山本 利晴
タグ:雑感
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画