2024年09月21日

その蒸留酒、新市場のどこに何本売りたいのか

新商品蒸留酒を売りたいとします。

その酒は、どこの市場に何本売りたいのか?

その目標値は、実現可能性検証を行ったのか?

果たしてこうした組み立てを行っている社はどの程度あるでしょうか。


例えば、今流行りの国産ジン。

某トップブランド。

半年間(2024年上半期)で21万ケース(700ml瓶・1.8ℓPET合計)、

700ml瓶換算では2,520,000本の販売実績とのことで、

単純に年間にはその倍で約500万本とします。


その上位ブランドで4千円を超えるプレミアムジン。

こちらの2021年世界販売数量が34万ケースで、

その9割が海外での販売とのことで、

国内を1割と見ると40万本となります。


3年後(2024年同比較)で伸びてその倍まで行っていたとして、

80万本は、上記トップブランドの16%であり、

国内での国産ジンブームがピークに近いとしてみても、

いわゆる2,000円を超えるプレミアムスピリッツの、

現状国内での販売数量のMaxが80万本とか100万本とかと仮説できます。


これも前述の某トップブランドに牽引させて、

ジンの市場を新たに創ったから成り立っているのであって、

プレミアムスピリッツ単体で成立するほど甘くないことも容易に想像できます。


では、新たなスピリッツ(蒸留酒)をもって、

このような新市場を確立するにはどうしたら良いか。

上記のジンの事例を左に置いて、実現可能性検証を行ってみるべきです。


ただ新商品を出して、イノベーターやアーリーアダプターに評判が良いからと言って、

キャズムを当然のように超えられるだろうと考えている社が少なくないようにも思えるのです。

環境開発計画 山本 利晴
タグ:酒類業界
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画