2024年10月05日

酒卸に一縷の望み

先日、某大手酒卸社が運営されている、

日本酒バーに業務店調査に伺いました。


1杯目にいただいた『酒ハイ』は、

飲食専門スタッフでは無く、

同社の社員が店長としてメイキングされたものながら、

氷の量や炭酸の扱いなど、しっかりと基本を押さえられ、

さらには同社の強みとも言える酒の目利きで、

ベースにも面白い酒を使われ、

素晴らしく美味しく提供されておりました。


次の一杯には、同店と某酒類メーカー社による、

オーダーメイド酒をいただきました。


この酒を作るのに、同店店長はその蔵まで赴き、

酒質のコンセプトを共有、造りにも参加され、

思いのこもったオーダーメイド酒でありました。


3杯目以降にいただいたお酒も、

店長の目利きで選ばれたおすすめ酒で、

ストーリーもしっかり語られ、

“語って売る”サービスも、思いを込めて展開されていました。


一連の接客と店舗の質の高さはひとえに、

こちらの店長のモチベーションの高さが反映しているようです。


卸の営業社員であったこちらの店長が、

ここまで質の高い飲食サービスを展開できていることも素晴らしいですが、


何より私が期待を高めたことは、

某大手酒卸社が、トップの意向を背景にこうした店舗運営を行っていること。


最近の酒卸は、とにかく「売れ(てい)る酒を持ってこい」とメーカーには迫り、

投資して“自ら酒を育てよう=業務用展開強化”という意思は微塵も無い。


そんな傾向が長らく続いていましたが、

ようやくというべきか、業務用展開の重要性を感じ、

そのノウハウの一部でも自社蓄積を図ろうと、

このようなお店を開店されたものであれば、

酒卸にも一縷の望みが出てきたと思いました。

これからの取り組みに期待したいです。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画