2025年02月22日

元老舗Barのバーテンダーがオーナーシェフの料理店のスタンス

近年のミクソロジーカクテルを得意とするバーテンダーは、

シロップはもちろん、さまざまな副材料を、

自らのカクテル制作の方向性に合わせて自家製し、

それらを組み合わせて、他にない独自のカクテルを創作することが

それほど珍しいことではなくなってきました。


こうしたバーテンダーの極め付けといっても良い、

元渋谷の老舗Barのバーテンダーであったオーナーシェフのお店の情報をいただき、

先日、業務店調査に伺いました。


こちらのお店は会員制をとり、立地も最寄駅徒歩15分程度もかかる場所で、

全来客予約で人数や紹介者が分かった上で、

ほぼ全ての一次調理を自家製、仕込みで食材を作り上げ、

それらの食材を最高の調和を持って料理に仕上げていくスタンスでした。


例を挙げるならば、

外皮を塩水や酒で洗いながら熟成させる「ウォッシュタイプ」チーズを、

カルヴァドスで洗いながらの熟成を自家製で行われたり、

季節野菜の10種類程度あるピクルスは、一つ一つ異なる漬け込みを行ったり、

料理やパンにつけるバターやヤマワサビ、マスタードなども、

全て既製品はなく、手間をかけて仕込みを行った自家製ばかり。


ここまで徹底的に、既製品をまったくといって良いほど使用しない拘りにも関わらず、

料金はリーズナブルで、まさに“LE BISTRO”(同店屋号ではない。ザ・ビストロの意)

のコンセプトを徹底して表現された名店でした。


近年では、インバウンドの影響が色濃いハイエンドホテルバーなどでは、

カクテル1杯3,500円前後が当たり前となる中、


元バーテンダーのオーナーシェフということもあり、

こうしたスタンスのお店へのリスペクトを忘れてはいけないと、

強く再確認できた機会でした。


ごちそうさまでした。ありがとうございました!

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2025年02月15日

残念なRTD

新商品のRTDを2種類テイスティングいたしました。


1つは清酒の炭酸割り系のもの。

もう一つは有名店コラボレーションのハイボール。


まず前者ですが、

過去に同じ名称のRTDを2回リリースし、

今回が3回目でしょうか。


某料飲店のカクテルレシピをベースに開発された商品ですが、

その味わい、度数、内容物、どれをとっても【品質感】が異なり、

そのネーミングやビジュアルに共通点を設けず【VI】が非統一。

現下の「酒ハイ」展開とも繋がらず。


さらには、コロナの影響もあり、

元のカクテルにおける業務用展開がストップしている中でのRTD展開で、

口数が達せず、【安心感】も無い状態であり、

清酒の新たな飲み手を創造するような商品展開にはなり得ない、

残念さを感じました。


そして後者では、

ベース市場が飽和状態にあるハイボール缶の一つで、


有名飲食店とのコラボレーションをうたい、

高い品質感を思わせるパッケージながら、

その中身は度数の割に薄く感じられ、

飲食店コラボということで料理に合う味わいといえばよく聞こえますが、

価格を抑えるための原材料ウイスキー配合を増やしているように感じました。


いよいよウイスキー市場の流れも終盤かと思わせる、

品質感を低下させる商品混沌状態が増していると感じました。


清酒とウイスキー、市場としては明暗反対の位置にありますが、

共に残念なRTD家庭用展開を感じたテイスティング機会となりました。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2025年02月08日

地酒の素晴らしい春の企画

今週月曜日、2月3日は立春でしたね。

今年も毎年恒例の『立春朝搾り』を、

岡本屋永吉商店さまにいただきに伺いました。


28年目を迎える本企画。

昨年には著名な経営学研究者の書籍に取り上げられるなど、

その注目度はますます高まるばかりのように見えます。


復権の兆しがまったく見えない清酒業界で、

全国35都道府県41蔵で開催され、

1日で27万本が予定されるほどの出荷量を誇る

春の訪れを祝う酒『立春朝搾り』は、

体験価値の高い、本当に稀有な企画ですね。


当日は17時にお店に入りましたが、

その後やはり超満員になり、

みなさん思い思いにお酒を楽しまれており、

以前、日本酒カクテル専門店SAKE HALL

イベントをさせていただいていたことを懐かしく思い出しました。


そして、日本酒復権の牽引役となる社はどこが担うのか。

これを楽しみに思いを巡らしながら、

私も楽しくお酒をいただきました。


今年が清酒にとってのターニングポイントとなる1年になりますように!

環境開発計画 山本 利晴
タグ:酒類業界
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画