シロップはもちろん、さまざまな副材料を、
自らのカクテル制作の方向性に合わせて自家製し、
それらを組み合わせて、他にない独自のカクテルを創作することが
それほど珍しいことではなくなってきました。
こうしたバーテンダーの極め付けといっても良い、
元渋谷の老舗Barのバーテンダーであったオーナーシェフのお店の情報をいただき、
先日、業務店調査に伺いました。
こちらのお店は会員制をとり、立地も最寄駅徒歩15分程度もかかる場所で、
全来客予約で人数や紹介者が分かった上で、
ほぼ全ての一次調理を自家製、仕込みで食材を作り上げ、
それらの食材を最高の調和を持って料理に仕上げていくスタンスでした。
例を挙げるならば、
外皮を塩水や酒で洗いながら熟成させる「ウォッシュタイプ」チーズを、
カルヴァドスで洗いながらの熟成を自家製で行われたり、
季節野菜の10種類程度あるピクルスは、一つ一つ異なる漬け込みを行ったり、
料理やパンにつけるバターやヤマワサビ、マスタードなども、
全て既製品はなく、手間をかけて仕込みを行った自家製ばかり。
ここまで徹底的に、既製品をまったくといって良いほど使用しない拘りにも関わらず、
料金はリーズナブルで、まさに“LE BISTRO”(同店屋号ではない。ザ・ビストロの意)
のコンセプトを徹底して表現された名店でした。
近年では、インバウンドの影響が色濃いハイエンドホテルバーなどでは、
カクテル1杯3,500円前後が当たり前となる中、
元バーテンダーのオーナーシェフということもあり、
こうしたスタンスのお店へのリスペクトを忘れてはいけないと、
強く再確認できた機会でした。
ごちそうさまでした。ありがとうございました!
環境開発計画 山本 利晴