土日二日間合計で23km程度を歩き回り、9つのワイナリーや観光施設を訪ねてきました。
勝沼地域を歩いてまず何より体感することは、勝沼ぶどう郷駅を降りてからずっと、ぶどう畑の中を歩いていると言って良いほど、山肌や道路脇はもちろん、民家に見える普通の家の軒先まで、ひたすらに“ぶどう”“ぶどう”“ぶどう”であるということです。
昔、バックパックで歩いたフランス ノルマンディーのシードル街道のりんごの木々を思い出しました。
その時も現地を実際に回ったことで、カルヴァドスが大好きなお酒になり、20年以上経った今でも、探訪の記憶は鮮明に蘇ります。
このように、地域の魅力が伝わるには、実際に現地に来てもらうことが最も大切であることは言うまでもありません。
しかしながら現地に滞在する中で、後々まで記憶に残り、例えば勝沼であればどこのワインを、ノルマンディであればどこのカルヴァドスを、その後帰ってからも買ったり飲んだりするかという時には、何が重要な要因になるか?
ただ現地を歩くだけや、試飲したというだけではそうはならないでしょう。
私が今回の勝沼探訪で再確認したのは、“人を介して魅力を伝える”ことの大切さであり、
訪問者に直接話ができる【場】Barの必要性でありました。
あるワイナリーでは自由見学施設や売店、コイン試飲コーナーがあり、見たり飲んだりして時間を過ごすことはできましたが、購入したり継続して飲もうと思ったりする気持ちは湧きませんでした。
またあるワイナリーでも見学や売店、試飲があるのは同じながら、
【場】Barカウンターで試飲している時に話かけて下さり、造り手の思いや歴史、さまざまなストーリーを聞かせて下さったり、こちらからの質問にも答えて頂くなどしながら、ワインの試飲を楽しむことができ、
そのままそこのワインを購入するとともに、そのワイナリーについて識ることで、今後も飲みたいという気持ちが湧きました。
訪問者の貴重な時間を有意義に使わせてもらい、しっかりと自社や地域の魅力を伝えることができる【場】Bar。
【場】Barがなければ、自由見学や売店散策している訪問者の足を止めて、押し付けではなく有意義に魅力を伝えることは簡単ではないでしょう。
【場】Barがあるだけで、味を利くための試飲の時間内に+α、自社や地域の魅力を伝えることができ、訪問者の時間も余計に頂くことなく、試飲中の時間内に行うことができるのです。
“人を介して魅力を伝える”機能としての【場】Bar。
今回の勝沼だけでなく、20年以上前のノルマンディ カルヴァドスでもやはり同じことを感じ、今でも記憶が蘇るのは“人を介して伝えられた魅力”です。
環境開発計画 山本 利晴