ある、ウイスキーも手がける和酒の醸造会社のブースにて、
現状の地ウイスキーのボリュームをお聞きしたところ、
なんと、売上の8割、製造量の6割をウイスキーが占めるとのこと。
自社の日本酒の販売を伸ばす“手“が無い蔵元が、
洋酒(ジンやウイスキー)に走るのはこういうことかと頷けるほどの、
私の想像を超えるボリュームでした。
しかしながらその醸造会社の担当者の方は、
「ウイスキーが良いのは“今だけ“なので、日本酒を伸ばさなければ」
とおっしゃっておられました。
決してウイスキーブームに溺れることなく、
本来のウリを伸ばさなければ中長期的に先は無いことは、
ご理解されているようでしたが、
いかんせんその実現のための“手“が無いというのが本音のようです。
改めて和酒の酒造による地ウイスキーの今、
洋酒に手を出す(しかない)蔵元の現状を見たように感じました。
これから新しく洋酒に手をだすような和酒メーカーは論外として、
清酒醸造会社、特に市場を牽引すべきNBメーカー社は、
こうした危機感をどの程度持っているでしょうか?
中小零細の蔵元や醸造会社はより強く感じているこの危機感。
『飲み場をつくる』ことに尽きる、
大手清酒NBメーカーが牽引すべきである新市場創造の取り組みは、
待ったなしの状況ではないでしょうか。
環境開発計画 山本 利晴
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