2024年12月07日

日本の「伝統的酒造り」ユネスコ無形文化遺産登録に思う

一昨日12月5日、

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の政府間委員会は、

日本酒や焼酎、泡盛といった、

日本の「伝統的酒造り」を無形文化遺産に登録することを決めました。


さてこのユネスコの無形文化遺産とはどんなものが登録されているのか、

Wikipediaで調べてみますと、


お酒関係では、「古代グルジアの伝統的なクヴェヴリ・ワインの醸造方法」

ワインが含まれる「地中海食」、「ベルギーのビール文化」、

スイス「ヴヴェイのワイン生産者の祭り」、

キューバ「ライトラムマスターの知識」、

セルビア「伝統的な梅酒、シュリヴォヴィツァの製造と利用に関する社会的慣習と知識」、

そして日本の「伝統的酒造り」なのですね。


日本の麹文化の伝統的酒造りが世界で認められたことは、

私も端の端で取り組ませていただいている者として、

純粋に嬉しく思います。


しかしながら、一部報道などを見ると、この登録により、

輸出やインバウンドに”売れる”期待をする声が上がることには疑問を感じます。


上記のお酒関係のリストを見ても、

「ベルギービール」くらいしかよく知られていないような、、

お酒以外の登録を一覧で見ても、そのほとんどは知らないものばかりです。


前述した通り、今回の登録は私も嬉しいと感じますが、

この登録をもって“売れる”後押しになると思うような、

他力本願的な期待には疑問を感じるということです。


世界に認められた日本の麹文化の「伝統的酒造り」


これを本当に未来へと伝え遺していくためには、

新たな飲み手を創造する、製販三層による、閾値を超えさせる、

明確に数値化され、しっかりと投資を伴う展開が必須なのです。


こうした実質的な市場創造を棚に上げていては、

次の世代に日本の麹文化の酒の素晴らしさを伝えることは叶わないと思っています。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画