2024年12月21日

タイプ別オーセンティックバーで売れる酒

ユネスコ無形文化遺産登録も成された、

日本の「伝統的酒造り」により造られる酒。


これまであまり扱われてこなかった、

オーセンティックバーでも少しずつ取り扱いが増えてきました。


正統派のバー、伝統的バーと訳されるオーセンティックバーと言っても、

その接客スタンスには大きく分けて3タイプあります。


先日数店舗業務店調査を行ったバーをモデルにしますと、

タイプ1【待ち】スタンスのバー

いわゆる『ホテルバー』と言われるバーの大半がこのタイプで、

来店客との接点は最小限に、注文されたものをただメイキングして提供、

グラスが空いたら「何かお持ちしましょうか」と聞く程度。

基本、客側から話かけない限り、接点は取ってきません。

それでも2杯飲んで4〜6千円程度ですので、

来店モチベーションとしては、

ステータスや、歴史を感じる中で、自分が知っているカクテル等を静かに愉しむ、

または複数人で商談後などに利用するといったことが挙げられます。


タイプ2【目的店】バー

いわゆる有名バーテンダーのいる店です。

最近ではインバウンドも大挙して行っており、

オープン直後から満席、早い時間は日本人常連も入れないなどの現象が起きています。


タイプ3【接客】スタンスのバー

このタイプのバーでは、しっかりとバーテンダーが来客をお迎えし、

歓待した後、おすすめのお酒やカクテルを勧めたり、

お店のことを紹介したり、お客様と会話をもって関係を深めたりします。

常連は勿論、バーにあまり行ったことのない方でも安心して行ける店です。


これらタイプ別の店では、売れる酒も変わってきます。


基本オーダーされるがままのタイプ1のバーでは、

スタンダードカクテルや、すでに流行っている酒(ウイスキー等)が出ます。


タイプ2は目的店なので、スタンダードカクテルや流行の酒よりも、

有名バーテンダーのオリジナルカクテルや、こだわりのコアな酒が出ます。


そしてタイプ3の店では、

バーテンダーがしっかりと接客をしてお酒を推奨するため、

酒類業界的に言えば「育てる」系の酒を出すことができます。


日本の酒をバーで普通に提供されるようになりたい。

そう思うなら先ずこの”タイプ3“の店が最適であり、

ひとまとめにオーセンティックバーに営業をかけても、

タイプ別ターゲットを間違えると、

「やっぱりまったく売れないね」となりかねないため、注意が必要です。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画