2025年06月21日

コメ高騰と清酒NB

日本酒造りにおけるコメ高騰の影響のニュースを散見します。


酒米と食用米の価格が逆転したことで、

酒米づくりをやめて食用米生産に切り替える農家が増えており、

最高等級の「山田錦」よりもそれ以外の酒米の値上がり幅が深刻で、

特に、中低価格帯に影響が大きいとのことです。


こうなると当然、薄利多売構図の清酒NB主力のパック酒への影響が、

中でも最も大きくなることは容易に想像がつきますね。


業界紙でも清酒NBの値上げ記事をよく見かけます。


これでは大手メーカーほど、ますます打つ手がなくなることは必定。


NB酒の主な飲用者層のますますの高齢化による飲み手の急激な現象、

2025年問題から2030年問題へと加速する高齢化30%超えへ向かう中、


輸出には他社による先行者利益に加え、関税や情勢不安、


国内需要創造では現下、戦術や座組の不具合により成果には繋がらず、


さらに物価高騰、実質賃金上がらずの中において、

前述の通りコメ高騰等による価格転嫁まったなしの状況となり、


売上低下トレンドの上、原価・販管費上昇により、

損益分岐点が上がる、ますますの厳しい経営状況に置かれる中で、


これまでですら、本腰を入れてこなかった新市場創造の取り組みに、

これから取り組める社があるのでしょうか。


誰かが売ってくれるとか、誰もケツを持たないやり方ではなく、

自社がリードして投資もして市場を創造するという意思を持った社がです。


来月の売上は!今期の売上利益をどうするんだ!とばかり詰める経営ではなく、

今こそ過去の蓄えからでも投資をして、

10年を見据えて飲み手を増やす市場創造に取り組むんだ!という経営です。


今回のコメ高騰は単に、酒米の価格高騰でキビシイということに留まらず、

今後、清酒復権に向かえるのか、それとももはや不可能なところまで来たのか、

今、そのライン上に立たされているという意味を持つのではないでしょうか。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画