2023年12月02日

多様化する酒類新商品が短命なのは必然

1)11月に、2種類のバーボンウイスキー銘柄のRTDが、

それぞれ別のコンビニの留型として発売されたので、

テイスティングしようとそれぞれのコンビニに買いに行きました。


すると、片方のバーボンRTDは当該コンビニ3店舗を回っても無く、

もう片方のバーボンRTDはすぐに見つけられました。


この違いはどこにあるのでしょうか?


2)話は変わって、某清酒のNBメーカー社が発売した樽熟成清酒、

そのメーカーのNB販売数量からしたらごくごく少量の本数で限定発売するも、

1ヶ月半たっても未だ完売していません。


コアファンが多い有名な地酒蔵元が同様のスペックで発売したら、

1日で完売するような本数であるにもかかわらずです。


3)また話は変わって、某酒類専門紙に、

“多様化した商品が次々と発売され、

消費者も大量生産大量消費の画一化された商品ではなく、

個性的な商品を選択するようにますますなっていく”

と現下の酒類市場を分析していました。


果たしてそうでしょうか??私はそうは思いません。

それを言うなら、消費者が個性的な商品を選択するようになっているのではなく、

酒類市場が加速度的にシュリンクしていくその過程であるに過ぎないと私には見えます。


以上1)2)3)、3つの話には、私は共通点があると思っています。


1)のRTDの話は、新たな飲み手を創造する原理原則である【業家連動】に投資をして、

市場を創っている方は残り、そうでない方は落ちているだけであり、

2)の清酒NB社の話も、川上発想で消費者起点の発想がなく、

新たな飲み手の創造に投資をすることなく、ただ流行りに乗って新商品開発をしているだけであり、

3)の話にも消費者起点が無く、俯瞰せず一部だけの流れを視野狭く見て、

ただ個性的な新商品がどんどん発売されれば市場が活気付くという錯覚に陥っているのであります。


要するに共通することは、酒類の新たな飲み手創造、市場創造には、

主体者が必要であり、主体者による投資(経費発想では無く)がなされているのであり、

新市場の創造にはさらに中長期的な期間も必要なことを認識している社が背景にある
ということ。


それ以外はただひたすら他力本願。なるべく経費を抑えて、うまいこと流行りに乗れないかな〜という、

希望的観測展開とでも言えることばかりに取り組んでいるのです。


それにより結局は投資した方は利益が上がり、事業は成長、継続し、

経費思考、他力本願の社はシュリンクする市場と共に落ちていくばかり
なのです。


そもそもメーカー数が過剰なのであり、必然として無くなる社は無くなるしかないのかもしれません。

しかしその選択は時代の流れでは無く、自社の選択が間違えているだけであるのだということに、

最後まで気がつかない社が無くなるのだということは当然であると言って良いのかもしれません。

環境開発計画 山本 利晴
タグ:酒類業界
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2023年11月25日

地方でも芽吹く昼飲み文化

先日とある地方の観光地へ出張した際、

地元の酒屋さんがオーナーの和酒の立ち飲みバルにお邪魔しました。


酒屋さんがオーナーなだけあって、

クラフトビール、地酒、ワインなどの醸造酒から、

ウイスキーのハイボールなどの洋酒まで、

こだわりのお酒が愉しめ、

地元の酒蔵さんとのコラボレーション限定酒などもありました。


全員女性のスタッフは皆さん、お酒の知識も豊富で、

働くモチベーションも高く、おすすめを聞きながら、

ゆっくり3杯愉しませていただきました。


自家製の果実のキムチ(柿)など、アテも美味しかったです。


なにより素晴らしいと思ったのは、

お店の営業時間が12時〜20時という早い時間であること。


こちらの女性店長の思いとして、

この地域に“昼飲み文化”を根付かせたいとのことで、

頑張っておられます。


私が伺ったのも16時前くらいでしたが、

その後すぐに店内は満席になる盛況ぶり。


地元の他の飲食店さんとの繋がりも強いようで、

他のお店のスタッフさんも交流に訪れていました。


このように、1人の店主、1店舗の熱い思いもったお店がその地域にあるだけで、

“昼飲み文化”のムーブメントが起き、

より豊かな飲酒文化が広がって、根付いていくのだと感じることができました。


各地のいわゆる“街の酒屋さん”は厳しい経営状況に置かれていますが、

こうした展開を見ると、まだまだ活性化することは可能だと強く思いました。

愉しく有意義な時間をありがとうございました!!

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2023年11月18日

現下(R05.10)のパブ・居酒屋市況雑観

酒主体料飲店から、明るい声が増えてきました。


年末に向けての忘年会予約を中心に、数百、数千名の予約がすでに入ってきている。

酒提供営業にて、特に土日を中心に、昼間から17時前までで満席になる。

コロナ前(2019年)を超える売上を上げられている。



などなど、

本当にようやく、先の見える状況が戻ってきつつあると感じています。


しかしながら、酒主体料飲店、パブ・居酒屋全体の数字を見ると、

現下、その店舗数と市場規模(総売上)はいまだ、コロナ前の【7割】

(酒以外含む)外食全体ではすでにコロナ前の110%弱となっていることから見ても、

酒の業務用市場全体として見ると、引き続き厳しい状況が続いているのですね。


にも関わらず、私の周辺では、冒頭に取り上げたような盛り上がりを感じ、

実際に数字的にも、東京の業務用酒販店の実績を見ると、

2019年比でも110%程度になっている社もあるようです。


ということは、

東京では、酒主体料飲店も、業務用酒販店もコロナ前を超えてきているが、

日本全体の酒主体料飲店、パブ・居酒屋の総数、総売上は、コロナ前から3割落ちたまま。

要は、

酒の業務用市場の東京への集中が、益々顕著になっており、

今後もその傾向は強まる一方になる
のではないかと見ています。


東京での業務用営業の戦略的強化が求められています。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画