2025年11月08日

小さなブランドにひっぱられる

鹿児島の焼酎蔵とクラフトコーラがコラボした、

イベント限定のRTDを先日いただきました。
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こちらも1缶なんと、、千円以上するとのことで、


そもそもがファン向けの超少量生産品のようですが、

くださった方も含め、

コアなファンが多いというこちらのお蔵。


焼酎メーカー売上高ランキング51位(2024年)

年商5億4千万(帝国データバンクより)従業員数35名という規模で、


業種が異なるため粗利ベースで飲食業的に見ますと、

3〜5店舗を持つ地場居酒屋の人気店と同じようなビジネスといえます。


(ex.)スタッフ35名*月間粗利80万円=月商計2,800万円

月坪売20万円換算=店舗総面積140坪(3店舗@46.7坪/5店舗@28坪)



それでも一焼酎“メーカー”として、メディアなどは活動を取り上げ、

コアなファンにより焼酎が盛り上がっている成功事例かのように発信されます。


こうして業界の流れとして小さなブランドにひっぱられる。


こうしたことは直近ではまさに清酒業界でここ10年超、顕在化して、

業界全体の迷走、打つて無し、清酒復権をどんどん遠のけていますね。


ではなぜ同じようなことを繰り返しそうなメディア傾向が出てきてしまっているのでしょうか。


この頑張っている焼酎蔵が悪いということは全くもって無く、

前述の通り、地場3〜5店舗の人気居酒屋グループのようなものなのですから、

イベントやコラボでメディアに取り上げられたり、

若く、感度の高く、発信力もあるオピニオンリーダー的な方々をコアファンにして、

販売促進し、少しずつ伸ばしていく戦略で十分なのです。


問題は、これを成功事例として取り上げる業界側、メディア、

それにひっぱられる製販三層のプロモーションにあります。


前述の例のように飲食的に見てみますと、

売上=客単価×客数であり、

客数で重要になるのは常に新規客を増やし続けながら顧客にし来店頻度を上げていくこと。

逆に、一部の常連ばかりで一見が入りづらい店はどんどん厳しくなっていくのですね。


要するに、酒類で新市場を創造するためにまず必要なのは、

コアファンでも、オピニオンリーダーのSNSでもエッジの効いたオシャレ系メディアでもなく、


新たな飲み手にアプローチし、『飲み手の絶対数を必要数に増やすこと』

そしてその飲み手による『飲用頻度を継続的に増やしたままにすること』です。


どんなにメディアやSNSが取り上げて、たとえブームブームと言われても、

そもそも飲用者数の絶対数が達していなければ、新市場は創造されません。


にもかかわらず、いかに荒唐無稽でも“話題”とやらを求める“業界”というものはいつまで、

小さなブランドを取り上げるメディアなどにひっぱられ続けるのでしょうか。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2025年11月01日

都内近郊郊外飲食出店の難点

弊社のある街は、新宿から私鉄最短16分、

駅前は生活の買い物だけでなく外食含め、

充実して暮らしやすい東京郊外の23万人を超える市です。


この街で最近チェックしていた空き物件に、

それぞれ個人店カフェの新店舗がオープンとなりました。

内1件はすでにオープンされましたので取り上げてみます。


この物件は駅徒歩2分の一軒家5.5坪と、

なぜこんな効率の悪い建物を造ったのかという箱かつ、

駅近とはいえ、人通りの少ない横道に入った視認性のない物件で、


家賃が、、なんと、、坪約5万円超えの275,000円、、

定借ではないものの、こんな強気な物件に誰が出店するのかと思っていました。


長らく空き物件だったのが、この度、個人店おしゃれカフェがオープン。

週6日営業で13:00~20:00がカフェ営業、20:00~25:00にスナック営業と、

この家賃ならば当然とも言える二毛作営業ですが、


坪家賃半分にしても効率の良い坪単価とはいえない額ですから、

昼、夜共に最低でも月坪売り20万円は欲しいところで、


持ち帰りがあるとはいえ、コーヒー1杯500円〜という価格設定では、

スイーツとか珈琲豆販売もなさそうなので、客単価650円としても、

月間来客数1500名以上で100万の売り上げとなるため、

席数も10席程度の中、1日あたり60名を昼営業だけで集客しなければなりません。


もちろんこれだけでは済まず、

夜のスナック営業でも同じく月100万円が必要という物件です。


実際に集客できるかどうかは別として、これは余裕のない無理な設定ですね。


そもそもこんな家賃設定の物件に出店すること自体に無理があるのですが、

私が見るに、弊社のある立地のように、

都内から比較的近い駅は“立地良し”とされて家賃が高く設定されるのに対し、


集客面では、都内から近いために、ターゲット客層は都内で遊んで帰ってくることができ、

この街は遊ぶ街となっておらず、


生活感日常感の方が優り、付加価値を付けづらく、

住民、子供、ファミリー層や高齢者層狙いでは単価を上げづらい、


また、夜集客ができても、都内で遊んで帰ってくる時間になるため、

営業時間を深夜帯まで伸ばさざるを得ず、生産性を上げづらいなど、


『高家賃・低単価・低人時売上高』を強いられることが、

都内近郊郊外立地の飲食出店の難点であると思います。


もう1店の方はこれからオープンされるようですので、

こちらも追って見ていきたいと思います。

環境開発計画 山本 利晴
タグ:雑感
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2025年10月25日

大倒産時代の繁盛店調査(とある業態別3店)

帝国データバンク「全国企業倒産集計」

2025年度上半期報2025年9月報によると、

「飲食店」倒産件数が上半期としては2000年度以降で最多となっていますね。


頭打ちどころか、まだまだ増えていってしまっています。


原材料費高騰、人手不足などが深刻なのは言うまでも無いですが、

感覚的には、ますます繁盛店とそうで無い店の差が開いているように感じます。


そんなポイントを調査すべく、業態や規模の異なる3店舗を業調。


まず1店目は、業界でも有名な経営者によるヒットブランドのカフェ業態へ。

某メルマガ情報によると、全国各地でオープンすれば連日大行列の超繁盛店とのことでしたが、

虎ノ門にある同店に伺いましたが、

午後のカフェオンタイムでしたがもちろん行列もなく、空席も余裕がありました。


いわゆる普通のチェーン系カフェの様相です。

都内では競合が多いためそう感じられるのかもしれず、

地方ではこの手のおしゃれカフェがあまり無いために、

来店が集中するという出店戦略によるヒットなのでしょうか。


次に2店目には、以前こちらでも採り上げました定点調査をしている、

元老舗Barのバーテンダーがオーナーシェフの個人店料理店へ。


先のカフェチェーンとはまったく反対の、立地も駅徒歩15分という物件で、

紹介ありきの全客予約制で、凄まじいまでのこだわりと仕込みを行いながら、

いわゆる高級店に比べてかなりリーズナブルな住宅地価格で営業されている同店。

今回も次々と常連客が来店されており、完全に盛業されていました。


最後3店目には同じくこちらでも採り上げている定点調査店の個人店Barへ。


駅徒歩は近いものの各駅停車駅の住宅街にあるショットバーながら、

19時開店直後からカウンター8席のみのうち6席が埋まり、

私が伺って満席という繁盛ぶりでした。


この日は3杯いただいて客単価@6,500円と決して安くは無いにも関わらず、

常連さんが足繁く通うのは、マスターの人間性によるものといえる良店です。


このようにタイプのまったく異なる3店ですが、

共通して言えることは、そのお店に行く理由が明確にあるという点ではないでしょうか。


単純ですが、それがお客さんにしっかり伝わり、来店という実行動に移されているかどうか。


来店客の誰に聞いても口を揃えて同じ理由が出てきそうな店こそ、

現下の大倒産時代にしっかり盛業されている一つの理由なのだと感じます。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画