2024年12月27日

令和6年の感謝

令和6年、2024年も、

麹文化の酒の新たな飲用文化創造を目指す、

熱い思いを共有するお一人お一人と、

ご縁を紡がせていただきながら、

私どもも微力ながら一歩一歩前進させていただき、

その創造の一助となれておりましたら幸いです。

続く令和7年、2025年も、

全力で頑張って臨ませていただきますことを、

お約束いたします。

本年も大変お世話になりましたことに、

心より御礼を申し上げます。

皆様、良いお年をお迎えください!

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2024年12月21日

タイプ別オーセンティックバーで売れる酒

ユネスコ無形文化遺産登録も成された、

日本の「伝統的酒造り」により造られる酒。


これまであまり扱われてこなかった、

オーセンティックバーでも少しずつ取り扱いが増えてきました。


正統派のバー、伝統的バーと訳されるオーセンティックバーと言っても、

その接客スタンスには大きく分けて3タイプあります。


先日数店舗業務店調査を行ったバーをモデルにしますと、

タイプ1【待ち】スタンスのバー

いわゆる『ホテルバー』と言われるバーの大半がこのタイプで、

来店客との接点は最小限に、注文されたものをただメイキングして提供、

グラスが空いたら「何かお持ちしましょうか」と聞く程度。

基本、客側から話かけない限り、接点は取ってきません。

それでも2杯飲んで4〜6千円程度ですので、

来店モチベーションとしては、

ステータスや、歴史を感じる中で、自分が知っているカクテル等を静かに愉しむ、

または複数人で商談後などに利用するといったことが挙げられます。


タイプ2【目的店】バー

いわゆる有名バーテンダーのいる店です。

最近ではインバウンドも大挙して行っており、

オープン直後から満席、早い時間は日本人常連も入れないなどの現象が起きています。


タイプ3【接客】スタンスのバー

このタイプのバーでは、しっかりとバーテンダーが来客をお迎えし、

歓待した後、おすすめのお酒やカクテルを勧めたり、

お店のことを紹介したり、お客様と会話をもって関係を深めたりします。

常連は勿論、バーにあまり行ったことのない方でも安心して行ける店です。


これらタイプ別の店では、売れる酒も変わってきます。


基本オーダーされるがままのタイプ1のバーでは、

スタンダードカクテルや、すでに流行っている酒(ウイスキー等)が出ます。


タイプ2は目的店なので、スタンダードカクテルや流行の酒よりも、

有名バーテンダーのオリジナルカクテルや、こだわりのコアな酒が出ます。


そしてタイプ3の店では、

バーテンダーがしっかりと接客をしてお酒を推奨するため、

酒類業界的に言えば「育てる」系の酒を出すことができます。


日本の酒をバーで普通に提供されるようになりたい。

そう思うなら先ずこの”タイプ3“の店が最適であり、

ひとまとめにオーセンティックバーに営業をかけても、

タイプ別ターゲットを間違えると、

「やっぱりまったく売れないね」となりかねないため、注意が必要です。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2024年12月14日

注目の日本酒バー併設の酒屋にて

先週、注目の日本酒バー併設の酒屋さん2軒、

業務店調査に伺いました。


1軒は、2014年大阪創業の某日本酒店の浜松町のお店へ。


大阪梅田の他に、京都や三宮にも店舗を構えられ、

関東では伺った浜松町に続き、年明け1月には横浜にも開店とのこと。

さすが勢いのある酒店さん。

伺った土曜日には偶然ある蔵元イベントが開催されていましたが、

スタンディングの店内はウェイティングが出るほどの混雑ぶりでした。

まさに日本酒コアファンの新たな聖地といった感じでしょうか。


そしてもう1軒は、以前こちらの記事でも取り上げた、

某大手酒卸社が運営されている日本酒バーへ継続調査へ。


先週にはYahoo!ニュースにも取り上げられるほどの注目度で、

店長不在でアルバイトスタッフがカウンター対応でしたが、

前回同様、『酒ハイ』を新たなベースでおすすめされており、

メイキングもしっかり、高いクオリティで仕上げられて、

美味しくいただくことができました。


こちらは前述の1軒と反対に、

日本酒トライアルユーザー向け提案に力を入れておられ、

『酒ハイ』の他に、飲み比べセットなど、

入りやすい提案で、繁盛されているようでした。


ただ最近業界が力を入れているという『酒ハイ』展開が、

理にかなっておらず、新たな日本酒の飲み手創造には繋がらないであろうことを、

改めて感じられた機会ともなりました。


ポイントを少しだけ挙げますと、

1)『酒ハイ』としての【V.I.】が極端に非統一で、認知のされようがないこと。

今回いただいたベース酒の某銘柄を例に取っても、

別の酒卸運営の戦術で使われるベース酒と別に、

蔵元でも独自に割って楽しむ酒を出しており、展開がバラバラなのです。


2)『酒ハイ』としての【飲用時品質】が極端にバラバラで、味として浸透のされようがないこと。

某大手メーカーのソーダ割り専用清酒ベースで、

こちらのお店と、他のお店でもいただきましたが、

ベースは同じでも作り方、味わいなどがまるで異なる提供がされており、

ましてやベース銘柄が異なれば味わいが異なり、

“提供店の数×ベース酒銘柄数”の味わいになってしまっているのです。


3)『酒ハイ』提案側、提供側に主体性が欠けていること。

『酒ハイ』提案をと声を上げるのは良いのですが、

提案主体の側が多くありバラバラで、展開への思いや実営業が少なすぎるのです。

こちらのお店でも、私の注文に続いて、

関係者グループからの7杯の注文が入っていましたが、

スタッフ曰く、こんなに入ることはほとんどない、、とのことでした。


まだまだ理由はありますが、

『酒ハイ』展開による新たな飲み手創造は、

理にかなったやり方さえすれば、確実に実現できるものなだけに、

理にかなわない今のままでは確実にフェードアウトすると言えるため、

もったいなく、残念であると言わざるを得ません。


前述の1軒目の日本酒コアファンのお一人が仰っておられました。

「もっと日本酒ファンが増えてくれたら良いのに」と、、


私もそう思います。完全に共感です。

微力ながらさらに私もご縁を拡げながら、

清酒でも新市場創造の取り組みの一助になれたらとの思いを強める機会にもなりました。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画