2022年12月17日

ザラ場は戻った

大手のチェーン料飲店に対し、独立料飲店をザラ場と言っていますが、

着実に客数が増えて、直近ではコロナ前19年を上回るところも少なくないようです。


某情報サービス提供会社の経営指標データを見ても、

平均年商で1億円に満たない「酒場,ビアホール」業種では、

決算昨年同月比で黒字企業割合の上昇率が高く、2割強だったものは4割を超え、

経常利益率も4.5ポイント改善しています。


各種報道では、「厳しい、厳しい」という声ばかりを拾って伝えていますが、

料飲店向けのお酒の売れ行きや、経営数字を見ると、

ザラ場に限って言えば、確実にコロナ前に戻って来ています。


値上げすると客足が遠のくのでは?という声の記事は、

実際のザラ場の料飲店の声ではなく、外野のイメージで言われているようで、

実際には値上げによる客離れはザラ場では見られず、

離れているのは大手のチェーン居酒屋などのようです。


これは何を意味するのでしょうか?


単純に言えば、料飲店にお客様が求めるものは、

商品ではなく“人”だという証左である
と言って良いと、

数字も物語っているということではないでしょうか。


料理などは実は二の次で、店主やスタッフ、またはお客同士という、

人と会う、非日常のコミュニケーションを愉しむために行くのだということを、

実績数字が語っていると言えるでしょう。

だから、店主スタッフや隣客同士とのコミュニケーションは特に無く、

日常のグループで行くシーンが大半である大手居酒屋チェーンは厳しいまま。


目下、原材料費や光熱費の高騰が料飲店の危機の原因のように報道されますが、

そこに会いたい人がいるかどうか

これが根本的な問題、酒主体料飲店の存在意義と言っても過言ではないのではないでしょうか。

環境開発計画 山本 利晴
タグ:雑感
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2022年12月10日

国内で飲まれてこその「日本酒」

先日、TVでも、日本の全酒類の輸出が1千億円を突破したとか、

日本酒の輸出が好調で、2桁、3桁増だとかいう報道がされています。

長期化すると言われる円安にも乗って、

輸出で儲けようというのは一つの流れですから、是非もありません。


しかしながら、特に「日本酒」については、

私は、国内でしっかりと飲まれてこそ「日本酒」としての持続可能性が高いと思っています。


その最大の要諦は、焼酎も含めた「日本酒」の日本固有の飲み方、

度数帯や温度帯、蒸留酒でも食中酒文化や、日本食の位置づけなど、

日本以外の外国では、飲食のインフラに「日本酒」が乗っていくには、

多彩で難易度が高い=ハイエンドや海外在住の日本人にしか市場が成立しないことがあると思います。


さらには輸出を促進すると言いながら、

「日本酒」のプロダクトやweb含めた情報発信が、輸出産業として確立されていないことも重なります。


こうした基礎的な整備がなされていないままに、

輸出が伸びた!輸出が伸びた!ばかり言って喜んでいるように見えてしまします。

輸出が伸びた!2桁増だ!と言っても、

今年10月までの清酒の輸出量累計は3万キロリットルほどで、

同期間の清酒出荷量累計約20万キロリットルほどに対し、

輸出が占めるのは15%程度です。

輸出が120%伸びても、国内消費が96%のダウントレンドだと、全体ではマイナスなのです。


さらに悪いのは、日本酒を主とする製造者において、

ただ直近で売れそうだということだけで、洋酒製造に手を出すところが増え続けていることも、

私は懸念しています。


餅は餅屋なのです。

洋酒にも歴史と文化があります。

それを表面的に真似しても、本質的には新市場とはなり得ません。


やはり、日本酒を主とする製造者は、日本酒が国内で飲まれるよう、しっかりと投資するべきだと私は思います。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画

2022年12月03日

酒主体飲食店へのメーカー社員受入研修

先日、飲食と売店、さらには酒製造場を備える店舗でマネジャーを務められる方に、

私の前職で、弊社が協業させて頂いている、

現在都内に10店舗を展開する【日比谷Bar】での現場受入研修を3日間受講頂きました。


お酒のメーカーさまに、飲食店の専門的なマネジメントノウハウは当然ありません。

そこで、創業から33年で培われた、“酒が売れる”飲食店ソフトを、

短い期間ではありますが、盛りだくさんにお伝えし、実際の現場で体感して頂き、

自店に活かして頂くプログラムです。


当たり前ではありますが、“餅は餅屋”の酒主体飲食店の独自のノウハウがあることは、メーカーさまには見えません。

よって今回の方も、受講前には本研修に懐疑的であったと仰っておられましたが、

3日目の最終日には、今回の研修がいかに重要であったか深くご理解下さったようでした。


特に、和酒業界の方々に多く見られますが、

全てを内製化して外部の力を借りず、経費(費用?)だけを抑えようとされる傾向があると私は感じます。


変わって洋酒業界のほか、飲食業界でも伸ばす会社では、

積極的に外部の専門分野から学び、取り入れ、時には業務委託して、

エンドユーザーにブランド認知を浸透させていく傾向が強いと思います。


本来の「経費」は、売上を伸ばすためにあるべきですが、

ただただ「経費」を削って当然という、手段が目的に、非全体最適なことを仕事と思っていては、

和酒業界が復権する日は遠いのではないでしょうか。


そうした面でも、今回受講くださったメーカーさまは、

業界のリーディングカンパニーであるのであろうと私は思っています。

環境開発計画 山本 利晴
posted by B.A.R planning at 12:00| 環境開発計画